9月を過ぎると、学校や塾の面談で「現実的な」志望校の話をされます。
そこで焦ってしまう人も多いのではないでしょうか。
今回は志望校を下げる決断をする時期や、志望校を下げるべきか?について解説します。
結論からお伝えします。
・ 最終的にはお子さんの意思を尊重した決定をすること
・ 決定の時期は12月~1月の初旬のギリギリで
・ ギリギリまで志望校を下げないように努力する
高校受験で志望校を下げるべきか迷ったら
まずは冷静になって、根本的なところから考えてみましょう。
そもそも志望校の決め方は?
志望校を何となくで決めるのはやめた方がよいです。
学力的にちょうど良いからとか、友達が行くからとか。
もしくは親御さんにに勧められたから、という理由で流されるがままに志望校を決めてしまうのは危険です。
高校受験は合格することがゴールではありません。
その後3年間通うわけですし、その後の進路や人生にも影響します。
・校風
・学校の雰囲気
・進学の実績
などをしっかりと調べて、実際に見て、お子様自身が納得の上で決定するのが望ましいでしょう。
何故志望校を下げるのか?
そもそも何故、志望校を下げることを検討していますか?
塾や学校の先生に言われたから、ではなく根本的な理由を紐解いてみましょう。
①現在の学力(偏差値)が足りないから?
②内申点が足りないから?
③経済的な理由で絶対に公立高校に合格しなければならないから?
④その学校に行きたくなくなってしまったから?
主な理由としてはこのあたりでしょうか。
③④であれば、志望校の再考は致し方ないでしょう。
特に④のように、お子さん自身がその学校に行きたくないと感じるのであれば、モチベーションにも影響するので、早い段階で志望校を変更することをお勧めします。
ただ、①②のように学力や内申点で検討している場合は、あまり早すぎる判断は危険かもしれません。
もしかすると、下げた志望校にすら合格しない…という事もあり得るからです。
高校受験で志望校を下げる判断の時期・タイミング
私は、お子さんが本当に行きたい志望校であれば、あくまでチャレンジするべきだと考えています。
もちろん、現実的に狙える範囲で且つチャレンジできる環境があれば、という前提ですが。
それでも決断しなければならない時。決断のタイミングはいつが良いでしょうか。
判断の時期・タイミング
学力や内申点を理由に志望校を下げることを悩んでいるのなら、判断の時期は「12月~1月初旬」が良いでしょう。
はい、ギリギリですね。
一般的に公立高校の願書の提出が1月下旬なので、本当にギリギリです。
10月・11月でも本人やご家族内で納得して出した結論であれば、早すぎるということはありません。
「学校や塾の先生が下げたほうが良いといっているから」という理由で、焦って決めてしまうことだけは避けるようにしましょう。
なぜギリギリに判断するか?
まず第一に、「公立高校であれば、試験内容は共通だから」ということが挙げられます。
私立高校が第一希望であれば、ちょっと話は変わってきますが…第一志望が効率の方のほうが多いのでその前提でお話しています。
公立高校はどこの高校も試験が共通の問題ですから、特に志望校を変えたからと言って勉強のやり方を変える必要がありません。
そのため、願書を出すギリギリまで迷っていたとしても、そこまで大きな問題はないということですね。
第二に、「早い時期のレベル下げは、油断してしまう」ということです。
「志望校のレベルを落としたから、もう勉強はそんなに頑張らなくても良いかな」
人間というのは楽な方に流れやすいものですから、こんな発想で油断してしまう可能性があるのです。
そんなお子さんがどうなるか?
レベルを落とした志望校すら合格しない、という最悪な結果が待っています。
1つレベルを落としたからと言って、高校受験は甘くありません。
レベルを下げる時期が早ければ速いほど、油断する時期が早まるわけですから、ギリギリまで粘った方が良いのです。
志望校を下げずに逆転合格するには
志望校を下げずに逆転合格する。
それが一番望ましい事だと思いますが、さてどのようにすれば良いでしょうか。
ギリギリまで努力する
いきなり精神論のようで申し訳ないですが、これに尽きると思います。
そもそも志望校を下げたほうが良いかどうか悩んでいる時点で、内心諦めてしまっているお子さんが毎年多くいらっしゃいます。
そういったお子さんは、結果としてチャレンジしても不合格か、志望校を下げるかどちらかです。
反対に「どうしてもあの高校に行きたい」という強い気持ちを持って、今できることを精一杯やっているお子さんは合格を掴み取っています。
これは気持ちの問題だけでなく、学習の質にも影響するので本当に大事なことです。
ギリギリまで目標に向けて全力で努力する。
こういった経験はたとえ不合格だったとしても、その後の学生生活や人生にプラスの影響があります。
家庭教師をつけてみる
志望校を下げずに逆転合格を目指すのであれば、できることは何でも試してみるべきです。
ギリギリの時期に受け入れてくれる塾はなかなかないですし、お子さんがその環境に合うかどうかはわかりません。
その点、家庭教師であればギリギリの時期でも受け入れてくれます。
また、日程の融通をつけやすいので、「残り1ヶ月、毎日来てもらう」というようなことも可能です。
また、1対1のメリットを活かして、短期間で点数を上げるためのお子さんだけのメニューを組んでくれることでしょう。
逆転合格のデメリットも把握しておく
逆転合格を目指すということは、目指している高校がお子さんのレベルに合っていない可能性があります。
繰り返しになりますが、高校受験は「高校に合格すること」がゴールではありません。
合格したあとには、高校生活・大学受験があるわけです。
無理してレベルの高い高校に入ると、学校の授業についていけずに赤点だらけ…ということにもなりかねません。
また、燃え尽き症候群で受験後全く勉強しない、といったケースも毎年散見されます。
お子さんにも「受験合格がゴールではない」ということを日頃から共有しておきましょう。
志望校を下げることはデメリットだけではない
ギリギリまで粘ったけれど、やっぱり志望校を下げることになった方。
志望校を下げることは悪いことだけではありません。
決して悲観せずに、お子さんの将来のことを考えていきましょう。
不合格になる可能性が下がる
志望校をのレベル下げることによって、志望校に合格する可能性は上がります。
もちろん先述の通り油断は禁物です。
ただ、ご家庭によっては「絶対に公立高校に行ってもらいたい」といったご事情もあると思います。
また、お子さんの精神的な余裕が生まれ、落ち着いて受験本番を迎えられることもメリットではないでしょうか。
高校に入った際にアドバンテージになる可能性がある
私の好きな言葉で、鶏口牛後という言葉があります。
語源は「鶏口となるも牛後となることなかれ」で、由来は中国の故事「史記」です。
大きな集団や組織の末端にいるより、小さくてもよいから長となって重んじられるほうがよいという意味です。
ギリギリまで頑張って勉強した経験は高校でも活きます。
そのアドバンテージを自分のレベルに合った学校で活かせれば、学年でも上位を狙えるでしょう。
上位の成績を取ることができれば、自信につながって勉強のやる気に繋がります。
結果的に、元々の志望校に行くよりも、大学受験で良い結果を出すことができる可能性があります。
また、高校の指定する推薦枠から良い大学を選びたい放題、という可能性さえあるのです。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
高校受験の志望校を決めることは、その後の人生にも影響を及ぼします。
焦って結論を出す前に、一度立ち止まってお子さんと話し合ってみるのも良いかもしれません。