この記事をご覧の方は「家庭教師を頼むのが初めて」という方が多いのではないでしょうか。
そして、 こんな風に驚かれていると思います。
今回は、元家庭教師センター社員の私が「失敗しない家庭教師の選び方」をお教えします。
指導が始まってからの「成績を上げるコツ」についてもオマケで説明しますので、最後までお付き合いくださいね。
まず、結論からお伝えします。
① 個人契約より家庭教師センターを選ぶ
② 無理な営業のない、良心的なセンターを選ぶ
③ 希望する先生の「注文」をしっかり出す
④ 家庭教師を選んだ後も大事!
とてもシンプルですが、とても重要な事です。
上記の理由について、家庭教師業界の裏話も含めて解説していきますね。
個人契約ではなく家庭教師センターを選ぶ理由
まずは個人契約と家庭教師センター、どちらを選ぶのが良いかということについて説明します。
個人契約と家庭教師センターであれば、私は断然家庭教師センターをおすすめします。
理由を順に説明しますね。
個人契約の家庭教師とは
まず、個人契約の家庭教師とは何なのか?
名前の通りですが、仲介会社を通さず個人で活動している家庭教師の事です。
近くの大学に申し込むか、マッチングサイトで探すこともできます。
メリットとしては、何より費用が安い事です。
家庭教師センターのマージンが無いので、先生の時給だけで済むからです。
相場は1時間当たり1,500円~3,000円ぐらいです。(先生によります)
家庭教師センターで頼むのに比べて、半額程度の金額で受けられるのは魅力ですね。
個人契約の家庭教師が危険な理由
では何故私が個人契約をオススメしないかというと、一言で言うと「危ない」からです。
どのように危ないかというと…
契約上のトラブルの可能性
また、契約の期間や契約解除についてもしっかりと言及しておきましょう。テンプレートはインターネットで探せるはずです。

経歴などの詐称の恐れがある
経歴の確認をしっかりとしなければいけません。在籍・出身大学等に関してはそれを証明するものを求めましょう。
指導経験については正直確認のしようがありません。また、犯罪歴がないかどうかも同様です。中にはそういった人も紛れ込んでいる、というリスクを考慮しておきましょう。

お子さんに合った先生を探すのは至難の業
契約や金額、経歴などを検索するのは簡単ですが、直接先生とメッセージのやり取りなどをして交渉をする必要があります。
また、お子さんと相性が合うのかどうかは指導を受けてみないと分からないです。いきなり自宅で会うのはリスクが大きいので、最初は喫茶店などで面談するのが良いでしょう。

指導が独自のものになる
個人契約の先生は当然一人で動きます。
指導についてのフィードバックもないですし、困った時にセンターに相談することもありません。
また、情報収集も個人の力で行わなければなりません。
偏った情報にならないか、経験に裏付けられた情報かを確認するようにしましょう。

自分で先生を探すのって大変なものです。
経歴が良くても、とても早口でわかりにくい説明だった、なんてこともあり得ます。
また、もし受験直前に先生が指導できなくなったら…?
そんなことにならないよう、事前にメリットとデメリットを把握しておきましょう!
家庭教師センターを通す場合
家庭教師センターを通す場合は上記のような心配はありません。
対会社なので契約面はしっかり書面で交わすことになりますし、万一の際はセンターが間に入ります。
また、事前に経歴や身元はしっかりと確認しているはずです。
研修や事後のフォローもしっかり行い、豊富な経験とノウハウに裏付けられた指導法で指導してもらえるでしょう。
以上の理由から、私は家庭教師センターを選ぶことをお勧めします。
多少コストが高くなっても、です。
何かあってから後悔しないように、じっくり検討してくださいね。
高額教材付きのセンターを選ばない
ではどのような家庭教師センターを選んだら良いでしょうか。
実は全国には大小含めて100に近い家庭教師の会社があるんです。
もちろん会社によって料金体系も違えば、サポート体制も違います。
色々な判断基準があるのですが、私は大きく分けて2つに分けられると考えています。
- 高額教材の「ない」家庭教師センター
- 高額教材付きの家庭教師センター
結論から言うと、高額教材付きの家庭教師センターは避けた方が良いです。
理由も含めてそれぞれ説明していきますね。
高額教材の「ない」家庭教師センター
まず、高額教材の無い家庭教師センターです。
いわゆる一般的な家庭教師センターですね。お月謝などで中間マージンを取っています。
大手だと、家庭教師のトライ、学研の家庭教師、家庭教師アルファ、名門会家庭教師センターなど。
中堅どころだと、家庭教師ノーバス、東大家庭教師友の会、家庭教師ファースト、家庭教師サクシード、家庭教師の合格王など。
主だったところだと上記のようなところがあります。
上記の家庭教師センターは高額な教材が無いので安心してもらっていいです。
高額教材付きの家庭教師センター
ていうか、高額教材付きなんて言われたら絶対選ばないよ!
ただ残念なことに、高額教材付きの家庭教師センターはかなり多く、しかもいかにも「安くて良心的」に見えるんです。
消費者センターにも数多くの相談が寄せられています。
実際私も家庭教師センターで働いていた時は、「クーリングオフのやり方を教えてください」といった相談を年に何件も受けました。
高額教材付きの家庭教師センターには特徴があります。
そんなセンターを選ばない為のポイントを解説しますね。
高額教材付きのセンターの見分け方
細かく語るとキリがないので、見分け方を教えておきます。
流石に実名を出せないので!汗
1コマ1,000円~というような安い料金表示
ホームページやチラシにこのような表記があったら要注意です。
常識的に考えて家庭教師センターで1コマ1,000円はあり得ません。
これは何かというと、先生に払う時給分だけ載せているのです。
教材付きの家庭教師センターの場合、先生に直接指導料を払うところがほとんど。
では、どこからこの会社が利益を得ているか?
そう、教材です。
1教科月々3,000円~4,000円の教材費が別途かかるんですね。
「なんだ、月々3,000円なら安いじゃん」と思うかもしれません。
でも、1年にすると36,000円、5教科買ったら180,000円。
それを3年分となると540,000円。
50万円の教材をローンで買っているようなものです。
それだけの価値があればいいのですが…。
教材はどのように活用するか、が大事です!
手書き風のホームページやチラシ
手書き風のいかにも良心的そうなイラストのホームページやチラシです。
よくコンビニや近所のスーパーで、「成績が悪い子専門」といったチラシを見たことないでしょうか?
あれです。
全国で同じようなチラシを見るのは、同じ系列のセンターが各地に屋号や会社名を変えて存在しているからです。
行政処分などを受けても、他の地域の会社に影響がないようにする手段です。税金対策もあるかもしれませんが。
問い合わせをしていないのに電話がくる
これはわかりやすいですね。
小中学生をお持ちのご家庭さんは、一度はそんな電話がかかってきた事があるのではないでしょうか。
どこから電話番号や個人情報を得ているかというと、名簿屋です。
これだけ個人情報に厳しい世の中になったにも関わらず、そんな営業手法がまだ通用するのか不思議です。
最近は流石に少ないようですけどね。
以上が見分け方です。
このような会社は営業マンの感じが良くとても上手いです。
また、営業マンは歩合なので、必死です。何時間でも粘られます。
中には、過去に行政処分を受けている系列の会社もあるので気をつけましょう。
家庭教師センターの選び方
さて、ここまでに家庭教師を選ぶ際は
・個人契約より家庭教師センターが良い
・高額教材のない家庭教師センターを選ぶ
というポイントを説明してきました。
それでもまだまだ家庭教師センターは沢山あります。
その中からさらに良い会社を選ぶポイントを説明します。
料金形態を確認しよう
料金形態は各社様々です。
チェックするポイントとしては、
- 入会金や年会費はいくらか
- 月にトータルいくらかかるか(管理費や交通費含む)
- ホームページに料金表が載っているか
といったところでしょうか。
ご予算に合わせて検討されるのが良いと思います。
注意したいのは、あまりにも安い金額がチラシやホームページに記載されている場合です。
月10,000円以下というのは家庭教師センターではほぼありえません。
大体何らかの条件を付けられて、高いコースに誘導されます。
また、月謝を比較する際に、「1コマ」と書いてあったら要注意。
1コマ=60分じゃないんです。
1コマを45分とか50分にして安く見せようという、涙ぐましい企業努力をしている会社もありますので。
相場は週1回90分で20,000円~30,000円程度です。
営業スタイルを探る
また、営業スタイルも確認しておきましょう。
誠実である、ということが最も重要です。
問い合わせをすると、大体どこの会社も体験授業を勧めてきます。
この体験授業は営業マンのアポイントということです。
営業マンがご家庭を見定めて料金を釣り上げたりもすることがあるので、問い合わせの時点で料金は先に全て聞いておきましょう。
電話で聞いても答えてくれない、もしくはホームページの料金と大きく違うようなら要注意。
また、体験授業の際の説明で金額が違う場合も気を付けましょう。
そのような営業スタイルの場合、入会後も営業がすごいです。
追加授業の勧誘など、ですね。
裏話ですがこれ、ノルマがあるんです。単価を高く取る!とか、追加の売り上げをどれだけ取る!とか。
スタッフの対応をチェック
営業スタイルと少し被りますが、ここも重要です。
電話で問い合わせした際の、スタッフの対応力。
これ、ホントに大事です。
ちゃんとした言葉遣いができるか、伝えたことが正確に伝わるか、受け答えはていねいか。
お子さんの先生を選抜するのは、当然センターのスタッフです。
上記の対応がまともにできないスタッフが良い先生を選抜できるとは思えません。
いざという時に相談もできないですから。
また、スタッフの対応が杜撰なセンターには良い先生は集まりません。
先生の方も嫌になっちゃいますからね。
口コミを確認してみる
今はインターネットのクチコミで評判を確認することができます。
軽くチェックしておくといいでしょう。
何故軽くかと言うと、全て鵜呑みには出来ないからです。
大手のセンターほど悪い口コミが多いですが、これは当然。
それだけ沢山の人が受けていますし、そもそも良いクチコミをわざわざネットの掲示板に書き込む人の方が少ない。
むしろ腹が立って腹いせで書くという動機の方が強いです。
また、良すぎる口コミも要注意です。
自作自演の可能性もありますからね。
ここは軽く確認する程度にして、実際に問い合わせて自分で確認するのが良いです。
無料体験を受けてみましょう
大体どこの会社も無料体験がありますので、ぜひ利用してみましょう。
でも無料だからたくさん受けるのがお得!というわけではありません。
私の勤めていた会社では無料体験(商談)は一件あたり2時間程度でした。
そう、体験授業ではなく商談がメインなんです。
指導はオマケのようなもので、ほとんどがヒアリングと説明。思った以上に時間を取られます。
ただ、その会社のことをしっかり把握する良い機会になります。
気になる事を質問しておきましょう。
もちろん、「ここだ!」というところがあれば1回で決めて良いでしょう。
担当する家庭教師の選び方
いよいよお願いする家庭教師センターが決まったら、担当の先生をオーダーします。
たいていの場合、体験授業の際にプランナーから聞かれます。
お子さんの状況や希望はしっかり伝える
まず、お子さんの状況は正確に伝えましょう。
見栄を張ってテストの点数を水増しする、なんて事ないと思いますが(笑)
そのために、普段からお子さんの学習状況をある程度把握しておくことが大事ですね。
今何に困っているのか、どうなって欲しいのか、何ができるようになりたいのか、志望校はどこなのか、などをはっきりと伝えてください。
男性?女性?年齢は?
どんな先生が良いか、ある程度イメージしておきましょう。
ただ、あまりディテールが細かすぎると見つからない可能性もありますし、逆に変な先生に当たってしまうことがあるので気をつけてください。
個人的には中学生以上であれば同性の先生がおすすめですが、強い希望がなければこだわる必要もないでしょう。
年齢もまた然り。
性別や年齢よりも、どんな指導をしてくれるかが大事です。
家庭教師が来る曜日や時間の希望
部活や習い事がない、都合の良い曜日や時間を伝えましょう。
こちらもあまり限定しすぎない方がベターです。
人気の先生ほどスケジュールは埋まっているものですから。
出身大学や指導経験
指導経験は当然あった方が良いですね。
指導が初めての大学生の先生に受験を任せるのはリスキーです。
また、出身大学はこだわりすぎない方が良いです。
もちろん聞いたことのないような大学は避けた方が良いですが…。
学歴が良すぎると、「分からない子の気持ちがわからない」ということになりがちです。
いざというときは交代するという手段もあるので、こだわりすぎて見つからないということがないよう気を付けましょう。
家庭教師を選んだあとのコツ
さて、本当に重要なのは実際に指導がスタートしてからです。
目的は「お子さんの成績を上げること」ですから。
成績をUPさせる家庭教師との付き合い方のコツについて解説します。
目標と希望を先生に伝える
プランナーに伝えたように、初回の指導の際には家庭教師の先生にも改めて
・今回家庭教師をつけた目的や目標
・現在のお子さんの状況
・どのように指導をしてもらいたいか
について伝えておきましょう。
家庭教師の先生と目的や目標を共有することが、成績アップへの近道になります。
全てを家庭教師任せにしない
指導がスタートしても、すべてを家庭教師の先生任せにしないようにしましょう。
「家庭教師をつけているから大丈夫」という過信はダメです。
指導の進捗はしっかり確認しましょう。
家庭教師の先生は24時間365日お子さんを見ているわけではありません。
これは塾に行っている場合も同じことが言えるのですが、親御さんの協力が非常に大事です。
日々のお子さんへの声掛けは引き続き忘れないようにしましょう。
先生に出された宿題をやっているか、希望通りの指導をしてもらっているか、先生との相性は問題ないか…。
テストの結果も踏まえてしっかりと把握し、希望があれば先生に伝えましょう。
ただし、過度に口を挟み過ぎると逆効果なのでバランスにご注意を。
先生との相性が合わなければ交代も選択肢
先生との相性が合わないと成績は上がらないものです。
半年以上成果が出ない・何も変わらない状況が続くようであれば、交代も検討しましょう。
どこの家庭教師センターも大抵「家庭教師の交代」が無料になっています。
せっかく入会金等を支払ったわけですから、利用しない手はないでしょう。
家庭教師をつけることをやめる前に、一度センターに相談してみるのが良いでしょう。
家庭教師の選び方まとめ
家庭教師は安いものではないので、慎重に検討する必要があります。
また、お子さんの成績が気になると、冷静な判断ができないときもあります。
そんな時はひとつ深呼吸をして、下記のことを思い出してみてください。
① 個人契約より家庭教師センターを選ぶ
② 無理な営業のない、良心的なセンターを選ぶ
③ 希望する先生の「注文」をしっかり出す
④ 家庭教師を選んだ後も大事!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!